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II 呼吸器官に作用する薬
1 咳止め・痰を出やすくする薬(鎮咳去痰薬)
  1)咳(せき)や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き
  2)代表的な配合成分等、主な副作用
  3)相互作用、受診勧奨
2 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)
  1)代表的な配合成分等、主な副作用
  2)相互作用、受診勧奨

Ⅱ 呼吸器官に作用する薬


1 咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)

1)咳や痰が生じる仕組み、鎮咳去痰薬の働き


 気道に吸い込まれた埃や塵などの異物が気道粘膜の線毛運動によって排出されないとき、飲食物等が誤って気管に入ってしまったとき、又は、冷たい空気や刺激性のある蒸気などを吸い込んだときなど、それらを排除しようとして反射的に咳が出る。このように咳は、気管や気管支に何らかの異変が起こったときに、その刺激が中枢神経系に伝わり、延髄にある咳 嗽中枢の働きによって引き起こされる反応である。したがって、咳はむやみに抑え込むべきではないが、長く続く咳は体力の消耗や睡眠不足をまねくなどの悪影響もある。

 呼吸器官に感染を起こしたときや、空気が汚れた環境で過ごしたり、タバコを吸いすぎたときなどには、気道粘膜からの粘液分泌が増えるが、その粘液に気道に入り込んだ異物や粘膜上皮細胞の残骸などが混じって痰となる。痰が気道粘膜上に滞留すると呼吸の妨げとなるため、反射的に咳が生じて痰を排除しようとする。

 気道粘膜に炎症を生じたときにも咳が誘発され、また、炎症に伴って気管や気管支が収縮して喘息(息が切れて、喉がゼーゼーと鳴る状態)を生じることもある。

 鎮咳去痰薬は、咳を鎮める、痰の切れを良くする、また、喘息症状を和らげることを目的とする医薬品の総称である。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、内用液剤、シロップ剤等のほか、口腔 咽 喉薬の目的を兼ねたトローチ剤やドロップ剤がある。

2)代表的な配合成分等、主な副作用

 鎮咳去痰薬には、咳を鎮める成分、気管支を拡げる成分、痰の切れを良くする成分、気道の炎症を和らげる成分等を組み合わせて配合されている。

(a) 中枢神経系に作用して咳を抑える成分(鎮咳成分)
 咳を抑えることを目的とする成分のうち、延髄の咳 嗽中枢に作用するものとして、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、塩酸ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロペラスチン、フェンジゾ酸クロペラスチン等がある。
 
 これらのうちリン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインについては、その作用本体であるコデイン、ジヒドロコデインがモルヒネと同じ基本構造を持ち、依存性がある成分であり、麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。長期連用や大量摂取によって倦怠感や虚脱感、多幸感等が現れることがあり、薬物依存につながるおそれがある。特に内服液剤では、その製剤的な特徴(第2章Ⅱ-3)(剤型ごとの違い、適切な使用方法)参照。)から、本来の目的以外の意図で服用する不適正な使用がなされることがある。

 リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインは、妊娠中に摂取された場合、吸収された成分の一部が胎盤関門を通過して胎児へ移行することが知られているi。また、定められた用法・用量の範囲内で乳児への影響は不明であるが、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。

 そのほか、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデインは胃腸の運動を低下させる作用も示し、副作用として便秘が現れることがある。

 これに対してノスカピン、塩酸ノスカピン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペピジン、クエン酸チペピジン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロペラスチン、フェンジゾ酸クロペラスチン等は、非麻薬性鎮咳成分とも呼ばれる。デキストロメトルファンフェノールフタリン塩は、主にトローチ剤・ドロップ剤に配合される鎮咳成分である。

 中枢性の鎮咳作用を示す生薬成分として、ハンゲ(サトイモ科のカラスビシャクの塊茎(コルク層を除いたもの))が配合されている場合もある。

(b) 気管支を拡げる成分(気管支拡張成分)
 塩酸メチルエフェドリン、メチルエフェドリンサッカリン塩、塩酸トリメトキノール、塩酸メトキシフェナミン等のアドレナリン作動成分は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。

 アドレナリン作動成分と同様の作用を示す生薬成分として、マオウ(マオウ科のエフェドラ又はその他同属植物の地上茎)が配合されている場合もある。マオウについては、気管支拡張のほか、発汗促進、尿量増加(利尿)等の作用も期待される。

 アドレナリン作動成分及びマオウ(構成生薬にマオウを含む漢方処方製剤も同様。)については、気管支に対する作用のほか、交感神経系への刺激作用によって、心臓血管系や、肝臓でのエネルギー代謝等にも影響が生じることが考えられる。心臓病、高血圧、糖尿病又は甲状腺機能障害の診断を受けた人では、症状を悪化させるおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。高齢者では、心臓病や高血圧、糖尿病の基礎疾患がある場合が多く、また、一般的に心悸 亢進や血圧上昇、血糖値上昇を招きやすいので、使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合にはそれらの初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされることが重要である。

 これらのうち塩酸メチルエフェドリン、メチルエフェドリンサッカリン塩、マオウについては、中枢神経系に対する作用が他の成分に比べ強いとされ、依存性がある成分であることに留意する必要がある。また、塩酸メチルエフェドリン、メチルエフェドリンサッカリン塩については、定められた用法用量の範囲内で乳児への影響は不明であるが、吸収された成分の一部が乳汁中に移行することが知られている。

 自律神経系を介さずに気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させる成分として、ジプロフィリン等のキサンチン系成分がある。キサンチン系成分も中枢神経系を興奮させる作用を示し、甲状腺機能障害又はてんかんの診断を受けた人では、症状の悪化を招くおそれがあり、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。また、キサンチン系成分は心臓刺激作用を示し、副作用として動悸が現れることがある。

(c) 痰の切れを良くする成分(去痰成分)
 気道粘膜からの分泌を促進する作用を示すもの(グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、クレゾールスルホン酸カリウム、塩酸ブロムヘキシン等)と、痰の中の粘性蛋白質に作用してその粘りけを減少させるもの(塩酸エチルシステイン、塩酸メチルシステイン、カルボシステイン等)の2つに大別される。

(d) 炎症を和らげる成分(抗炎症成分)
 気道の炎症を和らげることを目的として、塩化リゾチーム、トラネキサム酸、グリチルリチン酸二カリウム等が配合されている場合がある。これら成分については、Ⅰ-1(かぜ薬(内服))を参照のこと。

 グリチルリチン酸を含む生薬成分として、カンゾウ(マメ科のカンゾウ又はその同属植物の根及び根茎)が用いられることもある。カンゾウについては、グリチルリチン酸による抗炎症作用のほか、気道粘膜からの分泌を促す等の作用も期待される。

 カンゾウを大量に摂取するとグリチルリチン酸の大量摂取につながり、偽アルドステロン症を起こすおそれがある。高齢者、むくみのある人、心臓病、腎臓病又は高血圧の診断を受けた人では、偽アルドステロン症を生じるリスクが高いとされており、1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上となる製品については、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する等、使用する前にその適否を十分考慮し、使用する場合には、偽アルドステロン症の初期症状等に常に留意する等、慎重な使用がなされる必要がある。また、1日最大服用量がカンゾウ(原生薬換算)として1g以上となる製品については、高齢者、むくみのある人、心臓病、腎臓病又は高血圧の診断を受けた人であるか否かによらず、長期連用を避けることとされている。

 なお、カンゾウは、かぜ薬や鎮咳去痰薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、また、甘味料として一般食品等にも広く用いられるため、医薬品の販売等に従事する専門家においては、購入者等に対して、摂取されるグリチルリチン酸の総量が継続して多くならないよう注意を促すことが重要である。

 甘草湯は、構成生薬がカンゾウのみからなる漢方処方製剤で、激しい咳や咽 喉痛の緩解に用いられる。日本薬局方収載のカンゾウも、煎薬として同様の目的で用いられる。いずれについても、短期間の服用に止め、連用しないこととされており、5~6回使用しても咳や喉の痛みが鎮まらない場合には、漫然と継続せず、いったん使用を中止し、医師の診療を受けることが望ましい。なお、甘草湯のエキス製剤は乳幼児にも使用されることがあるが、その場合、体格の個人差から体重あたりのグリチルリチン酸の摂取量が多くなることがあり、特に留意される必要がある。

(e) 抗ヒスタミン成分
 咳や喘息、気道の炎症は、アレルギーに起因することがあり、鎮咳成分や気管支拡張成分、抗炎症成分の働きを助ける目的で、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、マレイン酸カルビノキサミン等の抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。

 気道粘膜での粘液分泌を抑制することで痰が出にくくなることがあるため、痰の切れを良くしたい場合は併用に注意する必要がある。

 抗ヒスタミン成分に関する出題や、抗ヒスタミン成分が配合された内服薬に共通する留意点については、Ⅶ(アレルギー用薬)を参照のこと。

(f) 殺菌消毒成分
 口腔 咽 喉薬の効果を兼ねたトローチ剤やドロップ剤では、塩化セチルピリジニウム等の殺菌消毒成分が配合されている場合がある。基本的に他の配合成分は腸で吸収され、循環血液中に入って薬効をもたらすのに対し、殺菌消毒成分は口腔内及び咽頭部において局所的に作用する。したがって、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用されることが重要であり、噛み砕いて飲み込んでしまうと殺菌消毒作用は期待できない。

 殺菌消毒成分については、Ⅱ-2(口腔 咽 喉薬、うがい薬(含嗽薬))を参照のこと。

(g) 生薬成分
 比較的穏やかな鎮咳去痰作用を示し、中枢性鎮咳成分、気管支拡張成分、去痰成分又は抗炎症成分の働きを助けることを期待して、次のような生薬成分が配合されている場合がある。

 ① キョウニン
 バラ科のアンズの種子を用いた生薬で、体内で分解されて生じた代謝物の一部が延髄の呼吸中枢、咳 嗽中枢を鎮静させる作用を示すとされる。

 ② ナンテンジツ
メギ科のナンテンの果実を用いた生薬で、知覚神経・末梢運動神経に作用して咳止めに効果があるとされる。

 ③ ゴミシ
 マツブサ科のチョウセンゴミシの果実を用いた生薬で、鎮咳作用を期待して用いられる。

 ④ シャゼンソウ
 オオバコ科のオオバコの花期の全草を用いた生薬で、種子のみを用いたものはシャゼンシと呼ばれる。去痰作用を期待して用いられる。
日本薬局方収載のシャゼンソウは、煎薬として咳に対して用いられる。


 ⑤ オウヒ

 バラ科のヤマザクラ又はその同属植物の樹皮を用いた生薬で、去痰作用を期待して用いられる。

 ⑥ キキョウ
 キキョウ科のキキョウの根を用いた生薬で、痰又は痰を伴う咳に用いられる。

 ⑦ セネガ、オンジ
 セネガはヒメハギ科のセネガ又はその同属植物の根を用いた生薬、オンジはヒメハギ科のイトヒメハギの根を用いた生薬で、いずれも去痰作用を期待して用いられる。

 これらの生薬成分の摂取により糖尿病の検査値に影響を生じることがあり、糖尿病が改善したと誤認されるおそれがあるため、1日最大配合量がセネガ原生薬として1.2g以上、又はオンジとして1g以上を含有する製品では、使用上の注意において成分及び分量に関連する注意として記載されている。

 ⑧ セキサン

 ヒガンバナ科のヒガンバナ(別名マンジュシャゲ)の鱗茎を用いた生薬で、去痰作用を期待して用いられる。セキサンのエキスは、別名を白色濃厚セキサノールとも呼ばれる。

 ⑨ バクモンドウ
 ユリ科のジャノヒゲ又はその同属植物の根の膨大部を用いた生薬で、鎮咳、去痰、滋養強壮等の作用を期待して用いられる。
 
◇ 漢方処方製剤
 甘草湯のほか、咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤としては、半夏厚朴湯、柴朴湯、麦門冬湯、五虎湯、麻杏甘石湯、神秘湯などがある。
 
 これらのうち半夏厚朴湯を除くいずれも、構成生薬としてカンゾウを含む。カンゾウを含有する医薬品に共通する留意点については、(e) 炎症を和らげる成分を参照のこと。

 また、甘草湯を除くいずれも、比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがあり、その場合に共通する留意点については、ⅩⅣ-1(漢方処方製剤)を参照。

(a) 半夏厚朴湯
 気分がふさいで、咽喉・食道部につかえ感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う人における、咳、しわがれ声、不安神経症、神経性胃炎に適すとされる。

(b) 柴朴湯
 別名を小柴胡合半夏厚朴湯ともいう。気分がふさいで、咽喉・食道部につかえ感があり、ときに動悸、めまい、嘔気(吐き気)などを伴う人における、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症に適すとされるが、体の虚弱な人には不向きとされる。

 まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。また、その他の副作用として、頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状が現れることがある。

(c) 麦門冬湯
 痰の切れにくい咳(喉の乾燥感)、気管支炎、気管支喘息の症状に適すとされるが、水様痰の多い人には不向きとされる。 まれに重篤な副作用として間質性肺炎、肝機能障害を生じることが知られている。

(d) 五虎湯、麻杏甘石湯、神秘湯
 いずれも咳や喘息に用いられるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)で軟便下痢になりやすい人、胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人には不向きとされる。 いずれも構成生薬としてマオウを含む。マオウを含有する医薬品に共通する留意点については、(c)気管支を拡げる成分を参照。

3)相互作用、受診勧奨

【相互作用】
  一般用医薬品の鎮咳去痰薬は、複数の有効成分が配合されている場合が多く、他の鎮咳去痰薬、かぜ薬、抗ヒスタミン成分やアドレナリン作動成分を含有する医薬品(鼻炎用薬、睡眠補助薬、乗物酔い防止薬、アレルギー用薬等)などが併用された場合、同じ成分又は同種の作用を有する成分が重複摂取となり、効き目が強すぎたり、副作用が起こりやすくなるおそれがある。一般の生活者においては、「咳止め」と「鼻炎の薬」等は影響し合わないとの誤った認識がなされることが考えられるので、医薬品の販売等に従事する専門家において適宜注意を促していくことが重要である。

【受診勧奨等】
  鎮咳去痰薬に解熱成分は配合されておらず、発熱を鎮める効果は期待できない。発熱を伴うときは、呼吸器に細菌やウイルス等の感染を生じている可能性がある。発熱を伴う場合における受診勧奨については、Ⅰ-1(かぜ薬)を参照のこと。

 咳がひどく痰に線状の血が混じることがある、又は黄色や緑色の膿性の痰を伴うような場合には、一般用医薬品の使用によって対処を図るのでなく、早めに医療機関を受診することが望ましい。痰を伴わない乾いた咳が続く場合には、間質性肺炎等の初期症状である可能性があり、また、その原因が医薬品の副作用によるものであることもある。

 咳や痰、息切れ等の症状が長期間に渡っている場合には、慢性気管支炎や肺気腫iiiなどの慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性があり、医師の診療を受けることが望ましい。喫煙(当人の喫煙だけでなく、生活環境に喫煙者がいる場合の受動喫煙を含む。)は、咳や痰などの呼吸器症状を遷延化・慢性化させ、COPDのリスク要因の一つとして指摘されており、喫煙に伴う症状の
ため鎮咳去痰薬を漫然と長期間に渡って使用することは適当でない。

 喘息については、気管支粘膜の炎症が慢性化していると、一般用医薬品の鎮咳去痰薬で一時的に症状を抑えることができたとしても、しばらくすると発作が繰り返し現れる。喘息発作が重積すると生命に関わる呼吸困難につながることもあり、一般用医薬品の使用によって対処を図るのでなく、早期に医療機関での診療を受けることが望ましい。

 なお、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸メチルエフェドリン等の反復摂取によって依存を生じている場合は、自己努力のみで依存からの離脱を図ることは困難であり、薬物依存は医療機関での診療が必要な病気である。

2 口腔 咽 喉薬、うがい薬(含嗽薬)

 口腔咽喉薬は、口腔内又は咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、腫れ等の症状の緩和を主たる目的とするもので、トローチ剤やドロップ剤のほか、口腔内に噴霧又は塗布して使用する外用液剤がある。殺菌消毒成分が配合され、口腔及び咽頭の殺菌・消毒等を目的とする製品もある。鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない。

 含嗽薬は、口腔及び咽頭の殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去等を目的として、用時水に希釈又は溶解してうがいに用いる、又は患部に塗布した後、水でうがいする外用液剤である。

 これらのほか、胸部や喉の部分に適用することにより、有効成分が体温により暖められて揮散し、吸入されることで鼻づまりやくしゃみ等のかぜに伴う諸症状の緩和を目的とする外用剤(塗り薬又は貼り薬)があるが、現在のところ、医薬品となっている製品はなく、いずれも医薬部外品(鼻づまり改善薬)として製造販売されている。

【口腔 咽 喉薬・含嗽薬に関する一般的な注意事項】

 トローチ剤やドロップ剤は、有効成分が口腔内や咽頭部に行き渡るよう、口中に含み、噛まずにゆっくり溶かすようにして使用されることが重要であり、噛み砕いて飲み込んでしまうと効果は期待できない。

 噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。

 含嗽薬は、用時水で希釈又は溶解して使用するものが多いが、調製した濃度が濃すぎても薄すぎても効果が十分得られない。一般的に、薬液を10~20mL程度口に含み、顔を上向きにして咽頭の奥まで薬液が行き渡るようにガラガラを繰り返してから吐き出し、それを数回繰り返すのが効果的なうがいの仕方とされる。なお、含嗽薬の使用後すぐに食事を摂ると、殺菌消毒効果が薄れやすい。

 口腔 咽喉薬・含嗽薬は、口腔内や咽頭における局所的な作用を目的とする医薬品であるが、成分の一部が口腔や咽頭の粘膜から吸収されて循環血流中に入りやすく、全身的な影響を生じることがあるため、配合成分によっては注意を要する場合がある。特に、口内炎などにより口腔内にひどいただれがある人では、刺激感等が現れやすいほか、循環血流中への移行による全身的な影響も生じやすくなる。

1)代表的な配合成分等、主な副作用

 一般用医薬品の口腔 咽 喉薬や含嗽薬には、咽頭部の炎症を和らげる成分、殺菌消毒成分等を組み合わせて配合されている。

 なお、有効成分が生薬成分、グリチルリチン酸二カリウム、塩化セチルピリジニウム等のみからなる製品で、効能・効果が「痰、喉の炎症による声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み、喉の腫れ、口腔内や喉の殺菌・消毒・洗浄又は口臭の除去」の範囲に限られるものについては、医薬部外品として扱われている。

(a) 炎症を和らげる成分(抗炎症成分)
 声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み又は喉の腫れの症状を鎮めることを目的として、塩化リゾチーム、グリチルリチン酸二カリウム、トラネキサム酸等の抗炎症成分が用いられる。これら成分に関する出題については、Ⅰ-1(かぜ薬)を参照して作成のこと。

 塩化リゾチームについては、口腔 咽 喉薬や含嗽薬の配合成分として使用された場合であっても、ショック(アナフィラキシー)や皮膚粘膜眼症候群、中毒性皮膚壊死症のような重篤な副作用を生じることがあり、また、鶏卵アレルギーの既往歴がある人では使用を避ける必要がある。

 炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して、アズレンスルホン酸ナトリウム(水溶性アズレン)が配合されている場合もある。

(b) 殺菌消毒成分
 口腔内や喉に付着した細菌等の微生物を死滅させたり、その増殖を抑えることを目的として、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、チモール等が用いられる。

 塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウムにいては、Ⅷ(鼻に用いる薬)を参照のこと。

 ヨウ素系殺菌消毒成分(ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン及びチモールについては、Ⅹ(皮膚に用いる薬)を参照のこと。

 ヨウ素系殺菌消毒成分又はグルコン酸クロルヘキシジンが配合されたものでは、まれにショック(アナフィラキシー)、アナフィラキシー様症状のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。これらの成分に対するアレルギーの既往歴がある人では、使用を避ける必要がある。

 ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響(治療薬の効果減弱など)を生じるおそれがあるため、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされることが望ましい。

 妊娠中に摂取されたヨウ素の一部は胎盤関門を通過して胎児に移行するため、長期間に渡って大量に使用された場合には、胎児にヨウ素の過剰摂取による甲状腺機能障害を生じるおそれがある。また、摂取されたヨウ素の一部が乳汁中に移行することも知られており、母乳を与える女性では、同様に留意される必要がある。

 このほか、ヨウ素系殺菌消毒成分については、口腔粘膜の荒れ、しみる、灼熱感、悪心(吐き気)、不快感の副作用が現れることがある。また、ポピドンヨードが配合された含嗽薬では、その使用によって銀を含有する歯科材料(義歯等)が変色することがある。

 グルコン酸クロルヘキシジンが配合された含嗽薬については、口腔内に傷やひどいただれのある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。

(c) 局所保護成分
 喉の粘膜を刺激から保護する成分として、グリセリンが配合されている場合がある。

 日本薬局方収載の複方ヨード・グリセリンは、グリセリンにヨウ化カリウム、ヨウ素、ハッカ水、液状フェノール等を加えたもので、喉の患部に塗布して殺菌・消毒に用いられる。

(d) 抗ヒスタミン成分
 咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感等の症状を鎮めることを目的として、口腔 咽 喉薬にマレイン酸クロルフェニラミンのような抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。この場合、鎮咳去痰薬のように、咳に対する薬効を標榜することは出来ない。

 咽頭における局所的な作用を目的として配合されるが、結果的に抗ヒスタミン成分を経口的に摂取することとなり、内服薬と同様な副作用が現れることがある。抗ヒスタミン成分に共通する留意点等については、Ⅶ(アレルギー用薬)を参照のこと。

(e) 生薬成分

 ① ラタニア
 マメ科のラタニアの根を用いた生薬で、咽頭粘膜をひきしめる(収斂)作用により炎症の寛解を促す効果を期待して用いられる。

 ② ミルラ
 カンラン科のミルラ(別名モツヤクジュ)又はその同属植物の全木から得られる樹脂、精油成分で、咽頭粘膜をひきしめる(収斂)作用のほか、抗菌作用も期待して用いられる。

 ③ その他
 芳香による清涼感等を目的として、ハッカ(シソ科のハッカの地上部)、ウイキョウ(セリ科のウイキョウの果実)、チョウジ(フトモモ科のグローブの蕾)、ユーカリ(フトモモ科のユーカリノキ又はその近縁植物の葉)等から得られた精油成分が配合されている場合がある。チョウジ油については、ⅩⅠ-1(歯痛・歯槽 膿漏薬)も参照のこと。

◇漢方処方製剤
 主として喉の痛み等を鎮めることを目的とし、咳や痰に対する効果を標榜しない漢方処方製剤として、桔梗湯、駆風解毒散 駆風解毒湯、白虎加人参湯、響声破笛丸などがある。これらはいずれも構成生薬としてカンゾウを含む。カンゾウを含有する医薬品に共通する留意点については、Ⅱ-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照のこと。

(a) 桔梗湯、駆風解毒散、駆風解毒湯
 桔梗湯は、扁桃炎や扁桃周囲炎で咽 喉が腫れて痛む場合に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

 駆風解毒散及び駆風解毒湯も、扁桃炎や扁桃周囲炎で喉が腫れて痛む場合に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。水又はぬるま湯に溶かしてうがいしながら少しずつゆっくり服用するのを特徴とし、駆 風 解 毒 湯のトローチ剤もある。

 いずれも短期間の使用に限られるものでないが、5~6回服用しても症状の改善がみられない場合には、扁桃炎や扁桃周囲炎から細菌等の二次感染を生じている可能性もあるので(特に、高熱を伴う場合)、漫然と使用を継続せずにいったん使用を中止して、医師の診療を受けることが望ましい。

(b) 白虎加人参湯
 喉の渇きとほてりのある人に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え症の人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

 比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがあり、その場合に共通する留意点については、ⅩⅣ-1(漢方処方製剤)を参照のこと。

(c) 響声破笛丸
 しわがれ声又は咽 喉の不快に適すとされるが、胃腸が弱く下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。なお、短期間の使用に限られるものでないが、漫然と使用を継続することは避け、5~6日間使用して症状の完全がみられない場合には、いったん使用を中止して専門家に相談がなされることが望ましい。

 構成生薬としてダイオウを含む場合があり、その場合の留意点については、Ⅲ-2(腸の薬)を参照のこと。

2)相互作用、受診勧奨

【相互作用】
  ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると脱色を生じて殺菌作用が失われるため、ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬では、そうした食品を摂取した直後の使用や混合は避けることが望ましい。

 漢方処方製剤、生薬成分が配合された医薬品における相互作用に関する一般的な事項については、ⅩⅣ(漢方処方製剤・生薬製剤)を参照のこと。

【受診勧奨】
 飲食物を飲み込むときに激しい痛みを感じるような場合には、扁桃蜂巣炎(扁桃の回りの組織が細菌の感染により炎症を起こした状態)や扁桃膿 瘍(扁桃の部分に膿が溜まった状態)などを生じている可能性もあり、早期に医師の診療を受けることが望ましい。

 声がれ、喉の荒れ、喉の不快感、喉の痛み等の症状は、かぜの症状の一部として起こることが多く、通常であれば、かぜの寛解とともに治まる。喉を酷使したりしていないにもかかわらず症状が数週間以上続く場合には、喉頭癌等の重大な疾患が原因となっている可能性もあるので、医師の診療を受けることが望ましい。

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